ナカの目のつけどころ

細菌とウイルスの違い

細菌とウイルスはどちらも人に感染症を引き起こす微生物ですが、その特徴は異なります。

細菌は、小さな生き物で、エサとなる栄養と一定の環境が整えば、自分と同じ細胞をコピーして増殖します。大腸菌やサルモネラ菌、黄色ブドウ球菌などが有名です。

一方ウイルスは、細菌よりももっと小さく、その大きさは細菌の1/50程度で、生物ではなく、遺伝子とそれを包むタンパク質の殻で構成されている粒子です。細胞が存在しないので自ら増殖することはできませんが、他の生きた細胞に寄生することで増殖します。ウイルス性の風邪やインフルエンザウイルス、ノロウイルスが有名です。またインフルエンザウイルスとノロウイルスではタイプが異なり、インフルエンザウイルスはアルコールや石けんで破壊できますが、ノロウイルスは次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒液が必要となります。

細菌のイメージ

細菌のイメージ

ウイルスのイメージ

ウイルスのイメージ

抗ウイルスへの関心が高まる

2002年の夏、国際ウイルス命名委員会によってノロウイルスという正式名称が決定され、世界で統一されて用いられるようになり、その頃からいわゆる食中毒の中でもノロウイルスに対する関心が高まっていきました。
実際に、「病院の手すりを次亜塩素酸ナトリウムで拭いても問題ないか?」というような問合せも多く寄せられるようになってきました。こうしたニーズを踏まえて、ナカ工業では抗ウイルス性能をもった手すりの開発が始まったのです。

当時の手すりには既に抗菌性能がありましたが、ウイルスには効果がないため、抗ウイルスに関しては別の研究が必要でした。開発者は「手すりの素材となる樹脂に練りこむ薬剤も、抗菌と抗ウイルスでは全く異なります。
樹脂との相性を見ながら高い抗ウイルス効果を持たせるにはどうしたら良いか、また手すりの変色や持続性、コストパフォーマンスなど様々な角度からの検証が必要でした。」と語っています。

抗ウイルス性樹脂手すりの開発に成功

数年にわたる研究開発の末、2016年8月に抗ウイルス性樹脂手すりの発売を開始しました。
特徴的なのは、インフルエンザウイルスだけでなくノロウイルスにも対応し、手すりにウイルスが付着すると時間ともに効果が現れ、8時間後には99%以上の抗ウイルス効果があること。この効果は、抗ウイルスの専門機関で試験を重ね、実証済みです。
現在は東京都庁舎を始め、医療機関や高齢者施設、多くの人が利用する公共施設や交通施設への設置も進んでいます。

抗ウイルス性樹脂手すりの開発に成功

さらなる展開を目指して

もちろん、手すりからのウイルス感染が全く無くなるわけではありません。しかし、もしウイルスが付着した手で手すりを触り、その手すりを他の誰かが使い、その人が手を洗わずに食事をしたら…その手すりに抗ウイルス性能があったなら、ウイルス感染を防げる可能性があるのです。
人の支えになりたい、その想いで作った手すりを安心して使ってもらいたい。手すりを使ったことでウイルス感染してしまう人を一人でも減らしたい。ナカ工業は常に「やさしさと安心を たしかな技術で支えます」のコーポレートメッセージを胸に研究開発を行っています。

さらなる展開を目指して

抗ウイルス剤のイメージ

また、人の手に触れるものは手すりだけではありません。この技術を応用し、より多くのアイテムに抗ウイルス性能を持たせ、ウイルス感染を防ぐためにできること、それは抗ウイルス剤そのものを製造し、他の材質などへも展開することです。現在ナカ工業では、抗ウイルス剤の製造・販売に向けて準備を進めています。